Dataverse for Teams 環境の管理方法

Published: feedback 共有

こんにちは、Power Platform サポートチームの清水です。

今回は、2020 年 9 月に 新たに Teams に統合された Power Platform の機能について、その管理・制御方法やよくお問合せいただく内容に関して、詳しくご説明いたします。

ライセンスが Teams に組み込まれているという性質上、管理にお困りの方も多いかと思います。
この記事が皆様のお役に立ちましたら幸いです。

Dataverse for Teams の概要


Dataverse for Teams 環境とは、Teams のチームに紐づく Power Platform の環境です。

チームの所有者が環境の管理者となり、チームのメンバーは環境上でアプリやフロー、チャットボットを作成・使用することができます。
参考: Microsoft Dataverse for Teams 環境について

Dataverse for Teams の環境は、Teams を通してのみ作成されます。
例えば以下のような場合に、選択したチームの Dataverse for Teams 環境が自動で作成されます。

  • Teams 上の Power Apps アプリを使用して、で初めて環境に紐づくアプリを作成したとき
  • Teams 上の Power Virtual Agents アプリを使用して、初めて環境に紐づくボットを作成したとき
  • Teams のアプリ カタログから初めて Power Apps アプリ (※1) をインストールしたとき

なお、Teams のチームと Dataverse for Teams の環境は 1:1 で紐づけらます。
そのため、一つのチームで複数の環境を持つことはできません。
また、異なるチームの Dataverse for Teams 環境にアクセスすることもできません。

環境の制限

Dataverse for Teams 環境には以下の制限があります。

  • Microsoft 365 のライセンス数に応じたテナント毎の環境数の制限
    テナント毎の環境数の上限は以下の式で決定されます。
    5 + (1 * Microsoft 365 のライセンス数 / 20)
    また、ライセンス数に関わらず、環境数の上限は 10,000 (※2) となります。

  • 環境ごとのストレージ制限
    各環境は、最大で 2 GB または 100 万行のデータを格納することが可能です。

  • テナントごとのストレージ制限
    テナント毎のストレージ容量の上限は以下の式で決定されます。
    10 GB + (環境数 * 2 GB)
    また、ストレージ容量の上限は 19.5 TB となります。

各テナントで作成可能な環境数は、Power Platform 管理センターからご確認ください。

Power Platform 管理センター > リソース > キャパシティ > Microsoft Teams

制限を超えて環境やストレージ容量を使用したい場合は、Dataverse へのアップグレードをご検討ください。

環境へのゲストアクセス

Teams チームにゲストユーザーを招待している場合、ゲストユーザーは以下のような権限を持ちます。

  • アプリやボット、その他リソースの閲覧
  • アプリやボットの実行
  • 自身が作成したレコードへのフルアクセス
    ※他のユーザーが作成したレコードへのアクセス権は持ちません。

特定のユーザーにだけ環境を作成させたい


最初に説明した通り、Dataverse for Teams 環境は、Teams 上でのアプリやボットの作成を通して作成されます。
そのため、環境を作成させたくない場合、Teams 上でのアプリやボットの作成を禁止する、すなわち、Teams からのPower Apps および Power Virtual Agents の使用を禁止する必要がございます。

Temas からの Power Apps/Power Virtual Agents の使用を禁止するには、Teams 管理センターからアプリのアクセス許可ポリシーの設定を行い、環境作成を許可しても良いユーザーにだけ以下 2 つのアプリを許可するよう設定してください。


参考: Microsoft Teams のアプリのアクセス許可ポリシーを管理する

環境の作成は禁止したいけど、アプリは使わせたい


Teams 上の Power Apps/Power Virtual Agents アプリを禁止としても、引き続きアプリやボットを使用することは可能です。
まず、アプリやボットの使用許可するには、組織全体のカスタム アプリ設定にて、カスタムアプリとの対話を許可してください。
参考: 組織全体のカスタム アプリ設定

[同僚が作成] からアプリを取得する


以下のいずれかの条件に合致するアプリまたはボットは、Teams の[アプリ] > [テナント向けに構築] > [同僚が作成] からインストールすることが可能です。

Power Apps Power Virtual Agents
1. ユーザーが作成したアプリ
2. ユーザーに直接共有されたアプリ (グループや組織全体への共有は NG)
3. 直近 1 週間以内に使用したアプリ
1. ユーザーが作成したボット
2. ユーザーが所属するグループで作成されたボット

Dataverse for Teams 環境で作成したアプリやボットを [同僚が作成] からユーザーがインストールできるようにするには、それぞれ以下の Teams アプリを許可してください。

これらの Teams アプリと、先に説明した環境作成が行われる Teams アプリの違いは、それぞれ以下の通りです。

アプリ 機能
Power Apps Power Apps 自体の機能を提供します。
アプリの作成や編集、管理は全てこのアプリにより行われます。
Shared Power Apps Power Apps で作成されたアプリを表示・使用する機能を提供します。
このアプリを使用することで、Teams 上の [アプリ] > [テナント向けに構築] > [同僚が作成] にアプリが表示されるようになり、個人の Teams 上で使用することが可能になります。
アプリ 機能
Power Virtual Agents Power Virtual Agents 自体の機能を提供します。
ボットの作成や編集、管理は全てこのアプリにより行われます。
Shared Power Virtual Agents Power Virtual Agents で作成されたボットを表示・使用する機能を提供します。
このアプリを使用することで、Teams 上の [アプリ] > [テナント向けに構築] > [同僚が作成] にボットが表示されるようになり、個人の Teams 上で使用することが可能になります。

※参考: Teams 管理センターで Microsoft Power Platform アプリを管理する

環境を監視するには?


センター オブ エクセレンス (CoE) キットを使用すると、Dataverse for Teams の環境の監視およびクリーン アップが可能となります。
参考: Microsoft Dataverse for Teams 環境管理

CoE スターター キットとは、Power Platform での管理や開発を支援するためのツールです。
GitHub リポジトリ からダウンロードでき、Power Platform のソリューションとしてインストールされます。
詳細については、公開情報 をご参照ください。

※注意事項

注釈

(※1) 公開情報に記載のサンプル アプリをインストールすると、Dataverse for Teams 環境が自動で作成されます。
(※2) Microsoft 365 のライセンス数が 200,000 を超えるテナントに関しては、上限を引き上げたい場合、サポートまでお問合せください。


※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。