Dataverse テーブルに登録されている 5,000 件を超えるデータを FetchXML クエリを使用して取得する

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こんにちは、Power Platform サポート 谷です。

この記事では Dataverse テーブルに登録されている 5,000 件を超えるデータを取得する方法について、FetchXML クエリを使用した方法をご紹介します。

Dataverse テーブルから 5,000 件を超えるデータを取得する方法

Power Platform の Dataverse コネクタ「行を一覧にする」アクションを使用すると、取得する列の選択や行のフィルターなどを設定することで、取得されたいデータをローコードで絞り込むことができます。

多くの場合、この方法で Dataverse からデータを取得していると思います。

「行を一覧にする」アクションは 1 回の実行で最大 5,000 件のデータを取得しますので、 5,000 件を超えるデータを取得したい場合は、当アクションのオプション「改ページ」を設定します。

複雑なフローを構成することなく、5,000 件を超える 100,000件(※) までのデータをページングしながら取得することができます。

※ 100,000 件は Power Automate クラウド フローで取得可能なページ付けされた項目数の上限です。




アクションの 3 点メニュー > 設定 にて改ページの設定を行います。

さて、Dataverse では FetchXML という独自の XML ベースのクエリ言語を使用することができます。

複雑なクエリでデータを検索したり、100,000 件を超える大量のデータを取得したり、柔軟できめ細やかな条件にてデータを取得することが可能になります。

しかし、FetchXML クエリをコーディングしたり、フロー側で Do until アクションを使用して 5,000 件を超えるデータをページングして取得するようフローを構成する必要があります。

FetchXML を使用した実装方法をより身近に感じていただきたく、以降では、実際に FetchXML を使用して 5,000 件を超えるデータをページングしながら取得するサンプル フローをご紹介します。

FetchXML クエリで5,000 件を超えるデータを取得するサンプル フロー

下図はサンプル フローの完成図です。 Do until アクションを使用して順次、対象ページのデータを取得します。

0. FetchXML クエリをビルドする

FetchXML クエリの作成方法は 公開情報 に記載があるとおり、FetchXML 言語のスキーマ定義に従います。

Power Apps や、環境の「詳細設定」から遷移できる従来の 高度な検索 を使用すると簡単にクエリをビルドできます。

i. Power Apps 作成者 ポータル > 歯車 アイコン > [詳細設定] を選択します

ii. フィルター アイコンを選択します

iii. 条件を設定し、[Fetch XML のダウンロード] を押下します

1. ページ番号を格納するための変数を定義する

次に読み込むべき、対象ページのページ番号を識別するための変数を定義します。
1 ページ目からデータを取得するため初期値は 1 です。

[名前] 任意の変数名を入力ください
[種類] 整数
[値] 1

2. データ件数を格納するための変数を定義する

「行を一覧にする」アクションにて取得されたデータ件数を識別するための変数を定義します。

取得されたデータ件数が 0 件になるまで後続のループ処理で Dataverse へのアクションを実行します。

[名前] 任意の変数名を入力ください
[種類] 整数
[値] 0

3. 全データを取得するよう繰り返しDataverseからデータを取得する

手順 2 で定義した、 Dataverse から取得されたデータ件数が 0 件と判定されるまでループを実行し続けます。

[左辺] 手順 2 で定義した変数
[条件] 次の値に等しい
[右辺] 0

4. FetchXML を使用して Dataverse からデータを取得する

FetchXML クエリを使用して Dataverse への検索を行います。

page プロパティに、手順 1 で定義した変数に格納しておいたページ番号を指定して、取得対象のページのデータを取得します。

本サンプルでは検索条件などは設定していませんが、要件に応じて柔軟にクエリをカスタマイズできます。詳細は手順 0 にてご紹介しています。

[テーブル名] 対象の Dateverse テーブルを指定ください
[Fetch Xml クエリ] 

1
2
3
4
5
6
<fetch
   page="【ページ番号を定義した変数名】">
   <entity name="【Dataverse テーブル名】">
    <attribute name="【取得されたい列名】"/>
   </entity>
</fetch>

ページ番号は動的コンテンツから手順 1 で定義した変数名をご指定ください

5. ページ番号をインクリメントする

次に読み込むべきページ番号を 1 ずつ増分します。

[名前] 手順 1 で定義した変数
[値] 1

6. データ件数を最新化する

今回の実行で取得されたデータ件数を格納します。

データ件数が 0 件の場合、ループを抜け処理を終了します。

[名前] 手順 2 で定義した変数
[値] 式に以下の数式を設定ください。取得できたデータ件数で更新します。 

1
length(outputs('行を一覧にする')?['body/value'])

複雑な検索条件で Dataverse から取得したデータをもとにクラウド フローを実行されたい場合のご参考になりましたら幸いです。

参考情報

Web API で FetchXml を使用する

※本情報の内容（添付文書、リンク先などを含む）は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。