こんにちは、Power Platform サポートチームの粟野です。
本記事では Dataverse の環境容量割り当て(Database / File / Log)について、お問い合わせでよくいただくご質問を Q&A 形式でご説明いたします。
この記事でわかること
- 環境の容量割り当て(Database / File / Log)は、管理者への通知を目的とした仕組みであること
- 割り当てを 0 MB にした場合でも、環境内のデータ消費には影響しないこと
- 「テナントで利用可能な容量から引き落とす」設定が関係する場面と関係しない場面があること
- テナント全体の容量を超えた場合にどのような影響があるか
- 容量管理で押さえておきたいポイント
目次
- 環境の容量割り当てを 0 MB にすれば消費を止められるか (Q1)
- 「テナントで利用可能な容量から引き落とす」をオフにすればテナント容量は消費されないか (Q2)
- 特定の環境の容量消費(Database / File / Log)を制限する方法はあるか (Q3)
- テナント全体の容量を超えた場合に起きること
- まとめ
- 注意事項(情報の更新可能性)
環境の容量割り当てを 0 MB にすれば消費を止められるか (Q1)
【結論】環境の容量割り当て(Database / File / Log)は、消費を制限する機能ではなく、超過状態を目視可能とする、管理者にメールで通知をお届けするための仕組みです。
割り当てた量を超えた場合でも、その環境でのデータの保存や作成はそのまま継続されます。
そのため、割り当てを 0 MB に設定した場合でも、環境の中でファイルやデータが作成されると、テナント全体の容量から消費される動作となります。
【ポイント】
- 容量割り当ては「この環境にどれだけ使わせたいか」の目安を管理者が設定するためのもの
- 割り当てを設定する際に、通知を受け取る閾値(パーセンテージ)を指定できる。消費量がその割合に達した際に管理者へメール通知が届く(データの保存には影響しない)
- 0 MB に設定した場合でも、環境で発生するデータはテナント全体の容量から消費される
<参考資料>
「テナントで利用可能な容量から引き落とす」をオフにすればテナント容量は消費されないか (Q2)
【結論】従量課金(Pay-as-you-go)を設定していない環境では、この設定のオン・オフによる動作の違いはございません。
どちらの場合も、環境の消費分はテナント全体の容量から消費される動作となります。
現時点では、この設定が効果を持つのは、環境に従量課金(Pay-as-you-go)プランが紐づいている場合です。
以下の表で違いを整理します。
| シナリオ | オン(引き落とす) | オフ(引き落とさない) |
|---|---|---|
| 従量課金あり | 割り当て超過分をまずテナント全体の余り容量から使い、それでも足りない場合に Azure サブスクリプションへ課金 | 割り当て超過分がそのまま Azure サブスクリプションへ課金 |
| 従量課金なし | テナント全体の容量から消費 | テナント全体の容量から消費(オンと同じ) |
実際の動作例
以下は、従量課金(Pay-as-you-go)が紐づいた環境で「Draw from the available capacity in my tenant」(テナントで利用可能な容量から引き落とす)の設定を切り替えた場合の、ファイル容量消費の推移です。
この環境ではファイル容量の割り当てを 3 GB に設定しており、実際の消費量(約 7 GB)が割り当てを超過しています。
- 4/23 まで(「Draw from the available capacity in my tenant」= オフ): 割り当て(3 GB)を超えた分がそのまま Pay-as-you-go として Azure サブスクリプションに課金されています(グラフの紫色部分)。
- 4/24 以降(「Draw from the available capacity in my tenant」= オン): 超過分がまずテナントプールの余剰容量から充当されるようになり、Pay-as-you-go の課金が発生しなくなっています。
このように、従量課金環境では「Draw from the available capacity in my tenant」の設定によって課金先が変わります。一方、従量課金が紐づいていない環境では、この設定を切り替えても動作に違いはありません。
<参考資料>
特定の環境の容量消費(Database / File / Log)を制限する方法はあるか (Q3)
【結論】現時点では、特定の環境の容量消費(Database / File / Log)を制限する機能はご用意されておりません。
前述のとおり、容量割り当ては管理者への通知を目的とした設定です。
環境ごとに Database / File / Log それぞれの容量に上限を設けてデータの保存や作成を制限するような仕組みは、現在の Dataverse では提供されていない状況です。
【補足】仮に容量割り当てが厳密な上限として動作した場合、環境内で必要なレコードの作成、添付ファイルのアップロード、ログの記録などが行えなくなり、業務に影響が生じる可能性があります。
こうした点を踏まえ、現在の仕組みでは消費自体は継続しつつ、メール通知で管理者にお知らせする設計となっています。
テナント全体の容量を超えた場合に起きること
環境単位の割り当てはソフトな制限ですが、テナント全体の容量を超過した場合には、一部の管理操作に影響が出ます。
以下の操作は、テナント全体の容量超過が解消されるまでご利用いただけなくなります。
- 新しい環境の作成(空き容量 1 GB 以上が必要)
- 環境のコピー
- 環境の復元
- 試用版環境から有料版への変換(空き容量 1 GB 以上が必要)
- 環境の回復(空き容量 1 GB 以上が必要)
- 環境への Dataverse データベースの追加
【補足】テナント容量を超えた場合でも、既存の環境に保存されているデータが消えることはございませんのでご安心ください。
また、既存の環境でのデータの読み書きも引き続きご利用いただけます。
影響があるのは上記のような「管理操作」に限られます。
【ポイント】
- テナント全体の容量超過時に影響を受けるのは「管理操作」(環境の新規作成・コピー・復元など)
- 既存のデータが消えたり、環境が使えなくなったりすることはない
- 容量に余裕がなくなった場合は、不要データの整理や追加容量のご購入をご検討ください
<参考資料>
まとめ
- 環境の容量割り当て(Database / File / Log)は、管理者への通知を目的としたソフトな制限であり、消費自体には影響しない
- 割り当てを 0 MB にした場合でも環境のデータ消費は継続し、テナント全体の容量から消費される
- 「テナントで利用可能な容量から引き落とす」は従量課金(Pay-as-you-go)環境向けの設定であり、従量課金なしの場合はオン・オフによる違いはない
- テナント全体の容量を超えた場合は、環境の新規作成やコピーなどの管理操作に影響がある(既存データには影響なし)
- 容量に余裕がなくなった場合は、不要データの整理や追加容量のご購入をご検討いただきたい
注意事項(情報の更新可能性)
本記事の内容は執筆日時点の公開情報に基づいております。
仕様や UI、制限事項は将来変更される可能性がございます。
最新の情報につきましては、公式ドキュメントもあわせてご参照いただけますと幸いです。
※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。